「マンガ学科 風刺マンガコンテスト」は、毎回いま世界や社会で注目されている問題をテーマとして設定し、
東京工芸大学芸術学部マンガ学科の学生たちから風刺の効いた作品を募っています。
2021年に続き、2回目の開催となる本コンテストのテーマは「武器をなくす方法」。
いま世界各地では戦争が続いていて、罪のない多くの市民の命が奪われています。
表現者として無力さを感じながらも戦争を止める方法を、マンガを学ぶ若い学生たちなら思い付くことが出来るのではないかと考えました。
選考にあたってはマンガ学科の専任教員の他、マンガ家のヒサ クニヒコ先生にも加わっていただきました。
観る側がハッとさせられる作品がそろったと思います。
入賞作には選考委員のコメントが添えられています。どうぞじっくりご高覧いただけると幸いです。
重いテーマを明るくさらりと表現していて前向きのマンガだと感じました。マンガは自分のいろんな面がさらけ出される表現手段です。絵とアイデアだけでなく人間としてのセンスが問われます。これからも頑張ってください。(ヒサ クニヒコ)
武器をなくすためには文明を放棄する必要があるという重い主張であるが、ポップでコミカルな絵柄にすることで軽快なひとコママンガに仕上げられています。(木寺良一)
ここに描かれていない兵士の、武装を解いて半裸になった姿などを想起させる、単純だけど奥行きのある作品だと思います。人を殺すことの象徴である銃を物干しざおに転換する単純なアイデアが、かえって戦争行為の根本を捉えていて秀逸です。軍靴と花を添えたのもグッド。(細萱 敦)
風刺マンガの世界では往々としてシンプルなアイデアの方が、雄弁でパワーフルだったりします。淡々と描かれていますが、作者の強い意志が感じられる作品です。丁寧に仕上げているところも良かったです。(チョン・インキョン)
ギンガムチェックやおしゃれなスイーツは戦闘意欲を失わせるのに有効だと思わせてくれる作品です。戸惑っている兵士たちが面白い。淡い色使いも優しく、夢のある良作だと思います。(よしまさこ)